膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)が治らなかった長距離ランナーの3年間の記録
膝蓋靭帯炎(ジャンパー膝)とは
膝蓋靭帯炎は、膝の皿(膝蓋骨)と脛をつなぐ膝蓋靭帯に、微小な断裂や炎症が起きる症状だ。ジャンプ動作で膝に負担がかかるバレーやバスケに多く、「ジャンパー膝」と呼ばれる。一度なると治りが遅く、慢性化しやすいのが厄介なところだ。
自分はこれを、大学2年から4年の箱根駅伝まで、右膝で3年間引きずった。跳ばない長距離で、なぜか。完治はしていない。推奨ではなく、一人のランナーが何を試したかの記録として残しておく。
長距離ランナーでもジャンパー膝になるのか
跳ぶ競技に多いはずのこの怪我を、跳ばない長距離の自分がなぜ発症したのか、はっきりした理由はわからない。ただ、思い当たることはいくつもある。
小学生・中学生の頃から、オスグッド病をはじめ膝まわりの怪我が多かった。膝から下の故障が多いのが、もともとの自分の弱点だ。膝の皿はもともと高い位置にあって、見る人が見れば少し変形しているとわかるくらいだ。接地はつま先寄りで、膝に負担のかかる走り方だとトレーナーにも言われていた。シンスプリントのような脛の炎症も、何度も繰り返してきた。
だから一発でなった、というより、こうした骨格や走り方の癖に長距離の累積疲労が重なって、慢性化したのだと思う。「これが原因」と一つに絞れないのが、この怪我のつかみどころのなさでもある。
どんな症状だったか/なぜ治らなかったのか
痛みは、走るときに出た。
厄介なのは、痛くても走れてしまうことだった。疲労骨折はもう痛すぎて走れない。でもジャンパー膝は、痛くても走れてしまうから、つい「行けるか」と練習をやってしまう。走り始めは痛いけれど、5分10分すると少しマシになって走り出せる。走り終わった後はまた痛い。翌朝、走り始めるとまた痛い。これをずっと繰り返していた。
特に大学3年の頃は、朝練習がきつかった。体が温まっていない走り始めにいちばん痛みが出た。3年でも箱根は走ったが、その前後はずっと痛みを抱えていた。
経過としては、大学2年の春先に発症して、夏合宿はまったく走れなかった。秋に痛みを抱えながら 10000m のレースに1本だけ出て、冬は痛みで完全に走れなかった。痛みもひどくなって、この大学2年の冬は、もう走り続けても良くならないと判断し、いったん練習を止めた。
試した治療すべて(鍼・動注治療・TENEX・体外衝撃波)
3年かけて、いくつもの治療を試した。効いたもの、その場限りだったもの、受けた順に正直に書く。
マッサージは、正直ほぼ効かなかった。鍼治療も、受けた直後は楽になるが、また走ると戻る。その時だけ、という感じだった。
大学3年の春に、動注治療(モヤモヤ血管治療)を受けた。その時は良くなって、痛みをごまかしながら練習を続けられた。ただ、時間が経つと完治とまではいかなかった。
大学4年で受けた TENEX 治療は、確実に良くなった。完治とは言えないが、2・3年の痛みに比べたら4年の膝は全然マシで、痛みと付き合いながら競技を続けられた。体外衝撃波も並行で受けた。収束型と拡散型があって、拡散型は割と安いが、収束型は1回1万円くらいして高い。その分、自分には収束型の方が効いた。治療自体はそれなりに痛むので、覚悟がいる。
いちばん効いたのは、TENEX と体外衝撃波(収束型)の組み合わせだった。どれか一つで劇的に治ったというより、合わせ技でようやく走れる膝になった、という感覚に近い。
動注治療と TENEX 治療は、それぞれ単体でも詳しく書いた。仕組みも痛みも費用も、受けてみないとわからないことが多い治療だから。
今は走れているのか
走れている。
大学4年の箱根駅伝は、2・3年のときと違って膝の痛みもほぼなく、走っていて気持ちいいと思える状態で走り切れた。それでも完全にゼロになったわけではなくて、たまに違和感が気になるかな、という程度は残っていた。
社会人になった今も、たまに気になって痛むことはある。ただ、3:45 に起きて 12km を走る生活は続けられている。毎日壊れずに走れているのは、複数の治療と、当たり前のセルフケアを積み重ねた結果だと思う。
これは推奨ではなく、ひとつの記録として
ジャンパー膝は、人によって効く治療が違う。自分は3年かけて複数の治療を試して、ようやく走れる膝になった。ここに書いたのは「これをやれば治る」という方法ではなく、長く治らなかった一人のランナーが何を試して、どうなったかという記録だ。同じ膝に悩む誰かが、選択肢の地図を持つ助けになればいい。
故障歴の全体像は学生7年間の故障の全記録に時系列でまとめてある。
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